介護保険受給資格の取得と喪失・給付制限

介護保険法における被保険者資格の取得・失効について

 介護保険の加入者(被保険者資格取得)・未加入者(被保険者資格失効)となる時期は以下のように法的に定められています。

介護保険の被保険者として資格取得となる場合

 被保険者は、下記事項に該当する場合、介護保険被保険者の資格取得者となります。

  1. 住所登録している市町村に在住する40歳〜64歳の方で医療保険の被保険者になった日。
  2. 39歳以下で医療保険の被保険者であった方が40歳の誕生日の前日。
  3. 40歳〜64歳の医療保険の被保険者が市町村に住民登録した日。
  4. 65歳以上の方が市町村に住民登録した当日。
  5. 生活保護の受給者が医療保険の被保険者となった日。
  6. 生活保護の受給者が65歳の誕生日を迎えた日。

介護保険の被保険者として資格喪失となる場合

 被保険者は、下記事項に該当する場合、介護保険被保険者の資格が失効します。

  1. 市町村の住所登録が喪失した日の翌日。
  2. 市町村の住所登録喪失日と他市町村への転入日が同日の時は、その日。
  3. 第2号被保険者が医療保険の被保険者資格を喪失した場合は、その日。
  4. 介護保険の加入者が亡くなった死亡日。

被保険者の資格取得・喪失の届け出義務

 介護保険の被保険者が資格を取得する時、又は失う時には、次の届け出を行うことが義務付けられています。

また、転入・転居・転出・世帯変更などの各届け出が行われた場合は、介護保険の届け出を行ったものと判断され受理されます。

第1号被保険者の場合

 被保険者は、下記事項に該当する場合、資格の取得と喪失について、市町村へ2週間以内に届け出義務が生じます。

  1. 他の市町村へ転入し被保険者資格を取得した時。
  2. 日本に在住権を有している外国人の方が65歳になり資格を取得した時。
    但し、日本人が65歳になり資格を取得する場合は、住所登録のある市町村側で把握可能なため、外国人の様な届け出義務はありません。
  3. 同じ市町村内で住所が変更となった場合。
  4. 氏名変更や世帯主変更があった場合。
  5. 住所の転出があった時
  6. 死亡で被保険者の資格喪失となった時。
第2号被保険者の場合

 40歳〜64歳の方が届け出する必要がない理由としては、医療保険へは強制加入で何らかの医療保険被保険者になっているため、第2号被保険者が加入している医療保険者が保険料徴収しており、市町村も特定疾病に該当するかどうかなど要介護認定を行うので、認定の場合は被保険者を把握できるためです。

介護保険料滞納者への保険給付に関する措置

介護保険料の徴収債権と時効について

 介護保険の給付費用は、全財源の50%を第1号・第2号の被保険者からの保険料で賄われていますので、被保険者は相互扶助の精神に沿って、所得金額に見合った保険料を収めることが法的義務として定められています。

したがって、被保険者が介護保険料を期限までに納付せず滞納を続けると、保険給付に関して様々な制限措置を受けることになります。

保険料を支払わず滞納を続ける被保険者に対して、市町村は一定期間内では督促をしていきますが、一定期間を過ぎても保険料を納付してもらえる目処が全くたたない場合には、保険料の強制徴収を行う手段にでることが法的に許されており、このような強制徴収を行う権限を徴収債権と言います。

介護保険料の強制的徴収を行える期間は、保険料の納付期限翌日から2年間以内で、2年を過ぎると時効となり強制徴収を行う権限(徴収債権)は失効します。

介護保険の給付制限措置の種類

 保険料の納付期限を過ぎても滞納し続けている被保険者に対しては、下記のような保険給付に関する制限措置が実施され、この措置内容は被保険者証に明記されます。

1. 要介護認定され介護サービスを利用中の場合

 被保険にのは、次のような措置が実施されます。

  • 未納期間1年経過後:
    介護サービスは現物給付から償還払いに変更されます。
  • 未納期間1年半経過後:
    一時、介護保険の給付が差し止められます。
  • 一時差止め措置の対象が滞納を継続した場合:
    未納分の保険料を差し止めされている保険給付から相殺されます。
償還払いとは

 介護保険料の未納がない場合、
介護サービスの利用料については、原則、総費用の1割が利用者の自己負担になり、残9割は介護サービスを行った介護事業者へ市町村が介護費給付を行います。

 介護保険料の未納がある場合、
償還払いになり、介護サービスの利用料の総費用を利用者が一旦自己負担し、その後、市町村に給付申請してからOKとなれば9割分が市町村から滞納していた被保険者(利用者)へ返還してもらえるという方式です。

2. 40歳〜64歳の方で要介護認定される以前に保険料滞納があり保険料徴収の権限が失効した場合

 第1号被保険者が対象になりますが、将来、要介護認定され介護サービスを利用し保険給付を受ける際、滞納した期間と同じ期間、次のような措置が実施されます。

  • 介護保険の給付率が90%から70%に引き下げられます。
  • 高額介護サービス費給付が利用できません。
3. 65歳以上の国民健康保険の被保険者の方で国保の保険料滞納をしている場合

 第2号被保険者が対象になりますが、一時的に介護保険での給付が差止めされる措置が実施されます。

●どの講座が良いか迷っている方へ

介護事務講座は、まず比較検討してから決定するようにしましょう!

資料請求するメリットとしては、ホームページではわからない詳細ポイントや特典が必ずチェックできますので講座内容を必ず比較してから申し込むようにしましょう!

次の有名資格案内サイトから
介護事務の講座・スクールを一覧比較し、講座案内資料を無料一括請求して詳細内容を検討できます。

全国の介護事務講座【通信・通学】を一覧比較。無料で一括資料請求!

関連ページ

介護保険の制度概要と運営のしくみ
介護保険の制度運営における保険者・被保険者・介護サービス事業者との関係性と仕組み、住所地特例、介護保険での基本用語の意味などについて解説しています。
介護保険制度における保険者が担う仕事内容
介護保険制度における国、都道府県、市町村、医療保険者、年金保険者の役割分担と担う仕事内容について解説しています。
介護保険事業における国と地方自治体との役割分担
介護保険事業において国が策定する基本指針、都道府県、市町村が策定する介護事業計画の各項目、各行政の役割分担について解説しています。
介護保険の財源負担割合
国・都道府県・市町村・被保険者が負担する介護保険の財源負担割合、調整交付金・財政安定化基金・市町村相互財政安定化事業の仕組みと目的について解説しています。
被保険者の介護保険料の負担割合
第1号被保険者と第2号被保険者の対象・保険料・徴収方法と、第1号と第2号との介護保険料の負担割合の算出方法について解説しています。
65歳未満・65歳以上の介護保険料の決定方法
65歳以上の第1号被保険者、40歳から64歳の第2号被保険者の介護保険料の決定方法・算出方法について解説しています。
65歳以上の介護保険料の徴収方法
第1号被保険者(65歳以上)が納める介護保険料の各市町村間の格差の理由、介護保険料の特別徴収と普通徴収の対象者・徴収方法などについて解説しています。
自営業者の介護保険料の徴収方法
国民健康保険に加入している40歳から64歳までの第2号被保険者の介護保険料の徴収方法と、算出方法について解説しています。
介護保険の適用除外と減免対象
障害者施設入居者と生活保護受給者の介護保険適用の扱い、介護保険料の減免措置対象者と措置事例について紹介しています。

ページトップへ戻る