65歳未満・65歳以上の介護保険料の決定方法

65歳以上(第1号被保険者)の介護保険料の決め方

介護保険料率は市町村が条例で規定する

 65歳以上の高齢者の介護保険料率については、まず国が政令で基準を設定した後で、市町村は、それに基づいて3年毎に条例で設定します。

市町村が保険料率を条例として規定するには、まず次の2点を勘案して3年間の総支出見積り費用の計算を行います。

@管轄する地域に在住する高齢者の現状を調査・把握し、介護を受けるべき高齢者は全体で何人いるのか、提供すべき介護サービス量はどのくらいかを検討します。

A財政安定化基金への納付金・前期3年間における貸付金に対する返済費用、市町村が個別に行っている介護サービス給付にかかった金額を計算します。

 次に、介護給付費の内、国や都道府県が財源を受け持っている交付金額分を市町村の収入として総支出見積り費用から差し引きます。

その結果、算出された費用が最終的に今後3年間介護事業を運営するために必要な財源費用(支出)となり、この費用を介護保険加入者からの保険料で賄えるように保険料率を設定します。

介護保険料の期別推移

一人当たりの介護保険料基準額の全国平均月額は次の通りですが、負担は増大し続けています。

  • 第1期(2000〜2002年度):2911円
  • 第2期(2003〜2005年度):3293円
  • 第3期(2006〜2008年度):4090円
  • 第4期(2009〜2011年度):4160円
  • 第5期(2012〜2014年度):4972円
  • 第6期(2015〜2017年度):5514円

個々の介護保険料の決め方

 保険料の基準額が市町村の条例で決定すれば、保険加入者個々の保険料を決めることが出来ます。

決め方は、被保険者個々の所得に見合った金額を負担できるように考えられた応能負担によって決定さられる仕組みになったいます。

所得格差による区分は、市町村民税について世帯全員が非課税となっている家庭の区分は3段階に、市町村民税について本人は非課税で世帯に課税者がいる家庭の区分は2段階に、市町村民税について本人が課税されている家庭の区分は4段階となっており、全体で所得別に9段階に区分され見合った保険料を納付するしくみになっています。

但し、市町村の財政やサービス事情に応じ、段階区分の負担比率の変更、所得金額の区分変更、段階の区分数を多くするなどの対応も許されています。

65歳以上の所得段階区分ごとの保険料

 保険料は、所得区分別に保険料率が決まっており、市町村が条例で設定した保険料基準額に下記の負担率を乗じた金額が各個人の納付額になります。

所得区分

2015年4月以降

消費税10%施行以降

保険料基準額の
45%
30%
75% 50%
75% 70%
90%
100%
120%
130%
150%
170%

40歳から64歳(第2号被保険者)の介護保険料の決め方

介護保険料は医療保険者が定める

 40歳から64歳の方は次のような何らかの医療保険に入っているので、介護保険料は各個人が加入している医療保険者により決定されます。

  • 国民健康保険には個人事業主や自営業の方が加入。
  • 組合健康保険には民間の大企業に所属する労働者が加入。
  • 政府管掌健康保険には民間の中小企業に所属する労働者が加入。
  • 共済組合には公務員が加入。

 40歳から64歳の介護保険料率は、加入しているそれぞれの医療保険者が下記の算定方法に従い計算し、年度毎に見直しが行われます。

各年度で必要と見込まれる全国の介護給付費額の3割が第2号被保険者の負担金額になります。

その金額を全医療保険の第2号被保険者見込み総数で割り、1人当たりの負担見込額を算出しますが、この算出金額は、年度ごとに厚生労働大臣が告示します。

それぞれの医療保険者は、告示された第2号被保険者1人当たりの負担見込額に、各保険の第2号被保険者見込み人数を乗じ算出した金額に、前々年度の確定納付金額から概算納付金額を引いた精算額を加え、さらに調整金額も加えて算出します。

この金額が介護給付費・地域支援事業支援納付金になり、市町村へ支払基金を通じて納付します。

この金額を、第2号被保険者の総収入額(標準報酬総額+標準賞与総額)で割り算出された数値が介護保険料率となります。

会社員の介護保険料の納付方法

 医療保険に加入している各従業員の介護保険料は上記で述べたように算出され、各個人の収入額に介護保険料率を乗じると納付すべき金額が算出されます。

介護保険料を納付する場合は、医療保険料と介護保険料を合算し、給与から天引きされて医療保険者に支払われます。

介護保険料と医療保険料は共に、従業員を雇用している事業主が半額費用負担(折半)することになています。

被保険者(夫/従業員)の被扶養者(妻)は、別途、介護保険料の納付は不要で、これは医療保険と同じです。

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