介護保険と医療保険で重なる給付は介護保険が優先される

介護保険制度の施行前後で給付方法が切り替わったサービスは?

 2004年以降から現在まで介護保険制度が施行されていますが、施行される前の医療保険制度より利用サービス費を保険で支払われていたものの中でも、介護保険よりサービス利用費の保険給付へ切り替わったものも存在します。

代表的なサービスを挙げると、訪問による看護やリハビリについては、介護と医療の各保険より給付対象となるサービス内容が重複する場合、給付の優先順位は介護保険になります。

 上記の医療保険には、老人保健制度も該当しますが、現在この制度はありません。

その理由は、75歳以上のお年寄りの医療については後期高齢者医療制度が2008年度から施行されたため、 老人保健制度から後期高齢者医療制度に移行された形になっています。

後期高齢者医療制度の被保険者である75歳以上のお年寄りは、診療費の10%を自費で支払えば診察や治療を受けることが可能です。

医療と介護の各保険制度の給付の区分けは?

 医療保険や介護保険の給付対象となるサービスには、共に施設と居宅によるサービスが提供されていますが、次に給付の区分けを見ていきましょう。

施設サービスに関しての介護保険と医療保険の給付区分

施設サービスに関して介護保険と医療保険から給付されるものについては、下記のように区分けされています。
介護療養型医療施設

 以前、高齢者対象の指定病棟であった療養病床の中でも、介護保険制度が施行され該当するサービスは介護保険より利用費が支払われるように変更されています。

ですが、療養病棟の利用者で急性期治療を要するケースが発生した際は、急性期病棟で治療を受け、その費用は医療保険から負担されます。

介護老人保健施設

 旧制度である老人保健制度に基づき給付対象となっていた老人保健施設は、介護老人保健施設に移行され、その利用サービス費は介護保険で賄われています。

ですが、介護老人保健施設の入居者でも施設外の他の病院などで利用した診療費に関しては、加入している医療保険制度や後期高齢者医療制度から診療費が給付負担されます。

介護老人福祉施設

 介護老人福祉施設でも入居者が他の病院などで受診したり治療を受けた際に発生する診療費給付に関しては、被保険者となっている医療保険制度から賄われます。

居宅サービスに関しての介護保険と医療保険の給付区分

居宅サービスでもに在宅医療に該当するサービスである居宅療養管理指導、訪問看護、訪問や通所によるリハビリテーション、短期入所療養介護に関しては、介護保険により利用サービス費が負担されます。

また、状態が急性に悪くなった際、医師の指示があれば医療保険給付による訪問看護を2週間に渡り利用することが可能です。

 最後に医療と介護の各保険制度の給付区分をおおまかにまとめると、次のようになります。

  • 介護保険施行前の医療保険から介護保険に移行されたサービスがある。
  • 介護施設入居者が、施設以外の医療機関で診療を受ければ、その費用は医療保険から負担される。
  • 介護施設入居者であっても医療に関する行為は医療保険より負担される。
  • 在宅サービスにおける療養、看護、リハビリについては、介護保険給付が優先され適用される。

 また、介護事務としてレセプト作成する際は、間違いをなくすため給付はどちらの保険が優先するのか都度確認しながら行う必要があります。

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