介護保険給付の対象、要介護・要支援区分について

 介護事務を行う担当者は、介護保険給付の適用要件や要介護状態区分については、しっかり理解しておくことが重要です。

介護保険給付を利用できる要件

 介護保険の給付を受けるためには、制度上で規定された対象となる状態になっていると認定されることが、その条件となります。

これは自動車保険でも同じで、保険の加入者が事故などを起こし、相手に障害を与えたり、車を破損させたりして、損害賠償として定められている事柄に該当した事故であった場合に限り保険から賠償金が支払われます。

いくら事故を起こしたとしても保険の給付要件外の状態であれば支払われることはありません。

このように保険契約で規定された、保険給付の対象となる状態や該当する内容にあることを保険事故とも言います。

介護保険制度においては、要支援及び要介護の状態が保険事故として規定されている内容に該当します。

また、介護保険では要支援と認定された対象者を要支援者といい、要介護と認定された対象者を要介護者と言い、具体的な定義内容は次の通りです。

要介護状態とは

 要介護状態とは、病気や老化、事故などにより身体や精神に障害を生じているために、日々の生活を送る上で必要となる基本的な日常動作が一部又は全く行えない容態にあるため、約半年間渡って介護を行うことが必要であると判断された状態のことをいいます。

要支援状態とは

 要支援状態とは、身体や精神に疾患や障害を生じて上記のような要介護状態に陥るまで悪化することを軽減したり、予防したりできるような支援が必要と判断される状態や、普段の生活を送るのにはさしさわりがあると判断された状態のことをいいます。

端的に言うと、要介護状態にならないように予防支援する必要があると判断できる状態のことです。

要介護状態区分について

 要支援は2つに、要介護は5つの状態に区分されています。

要介護状態の区分判定は、介護認定審査会で要介護認定や要支援認定の審査を受けて決定されますが、これは法律で定められた基準に従って市区町村などの保険者が実施しています。

また、よく勘違いされますが、要介護区分の判定基準は、病状や機能障害の重度・軽度などの状態程度に基いて判定されているのではなく、実際どの程度、介護に手間を要するのかという実状を見極めて認定されることになります。

よって、要介護度と医療的な病症の重篤度とはリンクしているわけではありません。

要介護状態・要支援状態の定義目安

要支援1の状態とは

 日常生活で身辺に関することは本人ができるので介護までは不要で、将来、要介護状態に至らないようにするためにある部分では支援を要し、介護サービスを状況に応じて活用することで現状より心身の状態をさらに良くできると判断できる状態をいいます。

なので、物につかまって自分で立ちあがれれば認定されることもあります。

要支援2の状態とは

日常生活において介助や支援を要するケースもありますが、ほとんどの場合は基本的な動作はできるので介護まで必要なく、介護サービスを必要に応じて利用することで現状の心身機能の改善が期待できる状態をいいます。

要介護1の状態とは

 要介護1以降については介護を行う必要がある状態になります。

自力で歩いたり、立ち上がったりする動作は不安定ですが、入浴や排泄において全介護までは不要で、適宜介助が必要となる状態を言います。

意外ですが、末期癌の状態にある方は要介護1に区分されるようです。

要介護2の状態とは

 自力で歩いたり、立ち上がったりする動作は難しく、入浴や排泄において一部もしくは全体的に介助を要する状態を言います。

要介護1との違いは介護が全体的な範囲まで及んでいることです。

要介護3の状態とは

 本人が自力で歩いたり、立ち上がったりする動作は無理で、筋力が必要な入浴動作や、着替えなどの軽い身辺動作にも全て介助を要する状態を言います。

要介護2との違いは全ての動作に対して介護が必要となることです。

要介護4の状態とは

 日常生活を送るための機能・筋力・能力が衰えており、食事・排泄・入浴・着替えなどの動作に対しては全てに関して全面介助を要する状態を言います。

要介護5の状態とは

 介護を要する一番重篤な状態です。

寝たきり状態などに陥り、意思疎通や会話のやりとりも難しく、誰か他人に助けてもらわなければ日常生活を維持できない全面介助を要する状態をいいます。

要支援の援助を充実させることは重要

 以上要介護度について紹介しましたが、要支援の援助に重点を置くことは大変重要だと思います。

現在、重度の要介護状態になっているほとんどの方は、最初からその状態になったわけではなく、要支援から始まり徐々に進行して重度の要介護に至っているのだと思います。

こう考えれば、いかに要支援状態の方を要介護にならないように支援するのかは、国の財政赤字削減にもつながる重要な取り組み方策だと思います。

また、老化という観点から多くの方が高齢になり介護を受けるようになっていきますが、これは仕方のないことだと思います。

なので、介護士が足りないという状況にも対応するために、介護教育を義務教育化したり、認知症の予防方法を啓蒙したりという取り組みがもっと活発化してもいいのではないかと思います。

どうも政府の取り組み方を見ていると、介護給付費を削減することばかりに奔走しているようにしか思えません。

将来の介護の担い手になるはずの少子化対策に関しても相も変わらず対策が進まず、現在も待機児童問題の批判が収まりません。

介護事務を目指す方は、将来現場に関わることになるので、このような事にも関心を持って頂きたいと思います。

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